| ■ 農業のノーマライゼーション化 |
◆ 農業のビジネス化
子供は親のうしろ姿を見て育つ。朝早くから夜遅くまで、暑い日も寒い日も、雨の日も風の日も、農業に従事する両親のうしろ姿を幼少の頃から追いかけていた。大学卒業後地元に帰り職に就くかたわら、両親の手伝いをしているうちに花卉栽培での独立事業を模索し始めた。親戚の業者から葉牡丹等の委託生産を請け負う中、職を辞していよいよ本格的に花卉栽培へと取り組んだ。試験栽培用地を造成し、ビニールハウスを増設して多品種の栽培化を図っていった。
日本の第一次産業であり、骨格をも担ってきた農業の衰退が続く昨今、後継者不足、重労働、収益性の悪化など農業を取り巻く環境は厳しさを増している。元来、農業には閉鎖的な要素が多く、一般社会との交流には隔たりがあった。もっと気軽にふれあえる農場と生産品を提供することで消費者との交流が生まれ、従事者の喜びが生産への意欲向上化に、また雇用への促進にもつながり、そして経営者として事業の拡大と発展が農業をビジネスとして魅力ある産業へと変革できれば、農業のノーマライゼーション化(一般化)が図れるのではないかと考えた。個人生産には限界があり事業としてはどうしても小規模になってしまう。事業をより組織化し、高品質の生産管理、直売のできる事業形態の展開を日々考え、試行錯誤の研究と実践を繰り返し、平成4年花の生産直売店として「農マル園芸」がスタートした。
◆ こだわりの品質
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平成9年、シクラメンの本格生産に着手した。大型機械の導入、従業員の雇用も増やしながら徐々に組織化する経営も生産、販売ともに順調に推移していった。その年の11月に初めての「シクラメンフェア」を開催し好評を得たことで自信を深め、翌年(平成10年)念願の法人会社を設立する運びとなった。これを機にさらなる生産の分業システム化による高品質の多品種栽培化を推し進めていった。
また並行して次期発展事業の計画をも具体化させていた。 |
| 農作物の基本は何といっても「土」。他とは違うここにしかないこだわりの土を目指し、何年も失敗を繰り替えし、試行錯誤しながらやっと満足のできる商品が出来上がった。周辺の販売店等に卸し始めた途端、評判が伝わり「農マル園芸」のブランド商品とし認められるようになった。高品質へのこだわり、当たり前だけど継続、向上していく日々の努力が成功の鍵を握っていると考える。 |
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◆ さらなる事業の展開
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いちご栽培を新たな観光事業として準備を進めた。販売はもちろんだが、果物狩りとして冬場の寒い時期にも人が集まり楽しんでもらえる場があれば、一年を通じて季節の花にも親しんでもらえる。
花卉栽培以前から始めていたぶどう栽培とも結びつけ果物狩りの観光事業にも力をいれた。いちご栽培の研究を繰り返し、計画から2年後の12月にスタートし好評を得たことで団体のお客様にも対応できるよう施設の増設を進めていった。 |
町内には温泉施設やサーキット場があり高速道路のインターチェンジからも近く、県外から立ち寄られるお客様も増えた。生まれ育った地域に人が集まる、雇用による定住者が増え町が活性化することも喜びである。生産者と消費者が直接交流することでお互いの気持ちが分かり合える、経営理念である「ノーマライゼーション化(一般化)」が徐々に実を結び花開こうとしている。若いスタッフも毎年のように増え、今新たな農業の時代としてさらなる事業展開を図っている。
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時間の合間を縫っての今回の取材、常に頭脳と身体がフル回転しているのではないかと思える程の多忙ぶり。農業の厳しさ難しさを新しい発想と手法で変革に挑み実践しておられる代表の眼差しは、鋭く尚且つ輝いておられる。着々と目標達成されておられるのも、日々苦労の積み重ねがやがて実を結ぶという強い信念と向上心によるものでしょう。農業の新たな時代のリーダーとしてまた地域の活性化の為にも今後益々小川代表のご活躍を期待いたします。
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